みんな無条件の愛を求めながらも、それを受け入れるのは難しい

相談の仕事をしていると

私は親から愛されず、つらい思いや寂しい思いをたくさんしてきた

という話をよく聞くことがあります。

それほど、幼少期の親子関係はその人の人生に影響を与えるもの

なのですが、そういう話をたくさん聞いていてわかったのは

親から愛されなかったというのはどういうことかというと

多くの場合

~したら、~できたら愛して(受け入れて・認めて)もらえる

というような「条件付き」でしか愛してもらえなかったということなのです。

そして、この問題で苦しんでいる多くは

愛されるために条件(親の思い通りになったり期待に応えたり)を満たそうと

ヘトヘト(自分が何をしたいのかもわからなくなる)になるぐらい頑張ってきた

人であり、どうしてそこまで頑張って来たかというと

そうやって努力して条件を満たせば愛される=ありのままの自分を愛してもらえる

と信じているからなのです。

要するにすごく無条件の愛を求めているのです。


ところがこれまで愛されようと散々努力しているということは

裏を返せば、

そのままの自分では愛されないと思っている所があるということですし

さらに

相手の条件を満たせば愛される=自分の努力で相手の愛をコントロール

しようとしているということです。


でも一番求めている無条件に愛されるって、無条件なのでこちらが努力しないでも
(何もしないで)愛されることなのですよ!つまり、完全に相手次第。


そのままの自分では愛されないと信じている人が

愛される努力を全く(コントロール)手放して

(相手次第なので)相手に完全に委ねるって

難しいのですよ。

なぜなら、愛される努力をしないということは、

ある意味、一番恐れている愛されなくなる可能性も受け入れることであり

それは自分がそのままの自分を受け入れることなのです。

それが出来ないと恐れと不安でコントロールしたくなってしまうので

素直に相手の気持ちを受け入れられず疑ったり

相手をコントロールしようとしちゃうのですよね。

つまり、無条件に愛される事を受け入れるには、

自分を無条件に受け入れ(一番恐れていることになるかもしれないという恐れや不安もひっくるめて)

相手に委ねる=相手が自分を拒絶する可能性さえも受け入れる

=相手も無条件に受けいれる(相手を信頼し、委ねる)

という深い受容と手放しが必要なのです。

悩んでいる時の苦しみってどこからやってくるの?


私も含めてみんなそうなのですが、悩んでいる時ってストレスを感じたり、

胃がチクチクしたり、胸が重い感じがしたり、不快だったり苦しいじゃないですか?

だから、この苦しい感覚を何とかしたいからいろいろ考えたり、自分なりにやってみたり、人に相談したりするのですが、

いろいろな人達の悩みを聴きながら整理していくと、悩みと苦しみの関係ってとっても不思議なのですよ!

今回はこの悩みと苦しみの関係についてお話していこうと思います。

いろいろな人達の悩みを「悩みと苦しみ」という視点から整理していくと大きく分けて2つに分けられ、

(1)
その悩みの原因となる出来事は過去に起こった事で、再び同じことが起こるのではないかという
未来や想像上の不安で悩んでいる。確認していくと今は起こっていなかったり、起こったとしても
それに対処できていてその事で現実的な問題は起こっていない。

でも本人は現在進行系で起こっている大きな問題だと思っており苦しんでいる。
     
(2)
その悩みの原因となる出来事が家庭や職場などで現在進行系で起こっている。これに対して
どうして良いかわからず悩んでいる。少なくとも相談している時は眼の前では何も起こっていないのに
話をしながら実際に苦しみを感じている。

(1)は、悩みそのものが解決され問題はないのに苦しんでおり、
(2)は現在進行系で起こっているけど、相談しに来ている時は眼の前でその人を直接的に苦しめるような事は
なにも起こっていないのに、苦しみをリアルに感じている。

これは何を意味しているかというと、目の前で起こっている現実とは全く関係なく苦しんでいるということです。

という事は直接的に物理的に痛めつけられたり、罵声を浴びさせられることによる苦しみとは別で、
この苦しみは頭の中で自分で作り出しているということです。

逆に言えば私たちには想像で苦しみを作り出す力があるってことなのですよね。

想像で苦しみを作り出せるということは、想像には物理的・時間的制約がないので
いつでもどこでも永遠にでも苦しみ続けられるのです。

これってすごい能力でしょ?何も起こっていないのに悩み続けられるってすごい能力なのですよ。

また、このような仕組みからどうしても悩んでいる時って、
いつでもどこにいてもずっと脅かされている(危険のように)に感じてしまうのですが

目の前で起こっている事とは全く関係なく苦しんでいるということは、「心は今ここにあらずの状態」なのですが

もし目の前で本当に危険なことが起こっていたら、「心は今ここにあらずの状態」では対処できません。
眼の前で本当に危険な事が起こっていたら悩んでいられないのです。

つまり悩んでいる時って少なくとも「心は今ここにあらずの状態」でも大丈夫な状態なのです。


「あなたが今悩んでいることは、今眼の前で起こっていますか?」

今、目の前で起こっていないのであれば、力を抜いてみましょう。

実際に眼の前で起こっていることなのか?自分の頭の中で作っていることなのか?
それが区別できるだけでも変わってきますよ。

愛される事をあきらめた時にすでに愛を手に入れていたことに気づく

前回の記事では

親に不満や怒りの感情をずっと持ち続けてしまうのは

ある意味、親に変わってほしいとか、親を変えたいという思いがあり

そこには親は全く変わらないという前提があるのですよね。

ただ親も歳を取るし、自分も親に対抗するだけの力がついてくるので

現実には全く変わらないという事はありえないのですが、

それでも親は全く変わらないという認識をし続けているのはなぜかを解き明かすためには

その人自身がどんな基準を持っているのかを調べる必要があるのです。


でもってそれを調べていくと普通の人には不可能な、完璧な(理想の)親を求めていたりするのですよ。

その基準から見ているから親は全く変わらないという認識になっている可能性があると。

それによってずっととらわれてしまっていたり、苦しんでいるのだけど

それぐらい親のことを助けたいとか、何とかしたいと強く思っていて

その根底にあるのは親への愛なんですよという話でした。


でも、本当に伝えたいのはここから先で

自分の親は完璧な(理想の)親にはなれないという現実を受け入れるとどうなるか?

メチャメチャ抵抗してくれます。Σ( ̄。 ̄ノ)ノ受け入れたら負けってやつですね。

そこを掘り下げていってわかったのは

親に不満や怒りを持ち続けるということは

親が自分の求めている完璧な(理想の)親になったら

親を受け入れられるという図式になっているのですよ。

じゃあ、自分の親は自分の求めている完璧な(理想の)親になれないという現実を受け入れるとどうなるか?

それは言い方を変えると、ありのままの親を受け入れることなのですが、

その人たちの中では

ありのままの親を受け入れる

=自分の親はダメだというのが確定する

=あきらめる

=親を見捨てる

=関係が終わる

ということになっているのです。

だから、ずっと不満や怒りを感じているのは、本当は親を助けたい、あきらめたくないと頑張っているのですよね。

ですから根底は親への愛なのですよと前回書いたのです。


ちなみにそのありのままの親を受け入れられた人はどうなったか?

けっこう、ポロポロと泣き始める人がいます。

なぜって?

ある人は言っていました。

親を自分の望んでいる完璧な親に変えようとするのをあきらめた時

親を変えられなかった悔しさや悲しさでいっぱいになると思っていたら

なぜか親なりに自分のことを思っていてくれたり、

自分のためにしてくれていた事に初めて気づけたって。

ずっと親に愛されていないと思っていたけど

自分はずっと愛されていたことに気づいていなかっただけだったって。

そして、ずっと色々な人達にも助けられてきたこともわかったって。


だから本当は、親に対して不満や怒りを持ち続けたり、親を完璧な親に変えようとしていたのは表面的なことで

本当は愛されたいと叫んでいたのですよね。


でも悲しいことに愛されたいと思えば思うほど、今の自分は愛されていないという前提を作り出し

愛されていることを見えなくしてしまうのですよ。

だから、本当のことを言うと

親を変えることをあきらめてしまうと、自分は愛されない存在だと確定してしまう事を恐れていたのです。

でも、実際は親は親なりにずっと愛してくれていたのです。

あなたの恐れに勇気を持って向き合うと、(あなたの)現実が変わるのです。

親に対する怒りや恨みの根底にあるもの

子供の頃に親から理不尽なことをされたり、必要な事をしてもらえなかった人たちの中には、

大人になってもずっと親に対する不満や怒り、または恨みの感情に囚われ続けてしまっている人たちがいます。

今は大人になり独立して親から離れて暮らしていたり、

努力して色々なことに対処できるようになっているにもかかわらず、

今の自分が出来るようになった事を評価できずあきらめてしまっていたり、

過去は置いておいて、今の幸せを受け取れないのです。

今回はそういう人たちから話を聞いていて、気がついたことを書いていこうと思います。

もちろんこれは絶対的なものではなくて、私が個人的に感じたことなので

すべての人にあてはまるということではないのであしからず。


さて、親への不満や怒りにずっと囚われてしまっている人の話を聴いていくと

その内容の多くは

1,親から酷い(理不尽な)ことをされた。

2,親が守ってくれなかった、助けてくれなかった。

3,何をやっても親は全く変わらない。あきらめている。

という話なのですが、

もし本当に親は全く変わらないという現実を受け入れているのであれば

全く変わらない親にいくら怒ったって、変わりませんし

自分の方を変えていこうとするですよね。


でも、親に対してずっと不満や怒り、恨みを持ち続けるということは

それだけ親が変わることを求めている
=親を変えたいと思っている

のですよね。

ただ、現実的には

自分も大人になっていけば子供の頃よりも

体力的にも能力的にも色々なことが出来るようになりますし

親も自分と同じだけ歳を取って衰えていくので

全く変わらないということはないのですよね。

そこでそういう親の変化に気づいているかを確認すると

ちゃんとわかっているのですが、それでも親は変わらないというのです。


という事は、変化しているのに変化していないというのは

親がどうなったら変わったと認識するのか?
=親にどう変わることを求めているのか?

というその人の基準の問題になるので

それを具体的に聴いていくと

(これは本人はあまり自覚していない事が多いのですが、)

いつでも、何をしてもニコニコしているとか

自分の気持ちをすべてわかってくれるとか、

何でも言うことを聞いてくれるとか

絶対に怒らない、などなど


それらを並べていくと見えてくるのは

どこの神様の話ですか?みたいな

だだのおっちゃん、おばちゃんには無理でしょう!という

完璧な理想の親になることを求めてしまっているようなのです。

その基準からみているから親は全く変わらないになっちゃうのですよね。

そんな親にはほとんどの人がなれない(というよりもそんな親どこにもいません)ので

(極端に言うと親に神様になれ!そうすれば許すと言っているようなものですから)

永遠に親に不満や怒りを抱え続けることになるのですよね。

でも裏を返せば、(かなり歪んでいますが)

それだけ親に変わってほしい
=本当は親と仲良くしたいってことだし

いつか変わってくれると信じていたり

ダメな親だと見捨てたくないってことなのですよね。

だから、親に文句ばかり言っている人って

ダメだダメだといいながら、結局、面倒を見てあげていたりするのですよ。


たとえどんな親だったとしても子どもは親を助けたいのですよね。

そしてその根底にあるのは愛なのですよね。

生きる力ってなに?

この数年、子供たちと関わる現場にいてすごく思うのは

日常生活では

例えば、ネットやスマホなどのおかげで、

いつでもどこでも居ながらにして出来ることが増え、

昔に比べたらどんどん便利で快適になってきているのですが。


その反面、ニュースなどをみていると

異常気象による甚大な被害が起こっていたり

隣国が発射したミサイルが日本の上空を通過したり

かつては誰もが羨む安定した職だと言われていた職業が衰退したり

などなど


これまでの価値観や常識が通用しない事がどんどん起こっていて

昔だったら勉強が出来れば大丈夫とか、大きな会社に入れば一生安心

なんて言えたかもしれないけど、今はそんなこと全く言えないですからね。


こんな変化の激しい何が起こるかわからない時代だからこそ、

これからの時代を生きていく子供たちにはますます

「生きる力」を身につける事が大切だよなあって思うのですよ。


という事を、最近ある子にこの話をしたら


「生きる力ってなに?」というするどい質問をされΣ(゚д゚|||)ヒイイ


あれ?自分自身もよくわかっていないじゃんという事に気づいちゃったのですよ。


これをきっかけにあらためて生きる力について調べてみると

面白い研究している先生たちがいて


例えば、

東北大学の准教授 杉浦先生の研究チームは

平成23年の東日本大震災の被災者1,400名のアンケートから

災害を生き抜くために有利な個人・性格・習慣などを明らかにし

「8つの生きる力」としてまとめたそうです。

その内容は

1, 人をまとめる力(リーダーシップ)、


2, 問題に対応する力(問題解決)、


3, 人を思いやる力(愛他性)、


4, 信念を貫く力(頑固さ)、


5, きちんと生活する力(エチケット)、


6, 気持ちを整える力(感情制御)、


7, 人生を意味付ける力(自己超越)、


8, 生活を充実させる力(能動的健康)


これらの力の多くが実際に、

危機回避・困難克服の経験と統計的に有意に相関していたそうです。


これって学者さんたちが頭で考えた理想や理屈ではなくて

大震災という現実の危機的状況の中で様々な困難を乗り越え

生き残った人たちから明らかにしたものなので説得力があるのだけど


これだと説明力が足りない私には

子どもにわかるように説明できないので

私の勝手な解釈でざっくり整理していくと


5の「きちんと生活する力」
8の「生活を充実させる力」

=身体の健康を保つことですよね。


また、
6の「気持ちを整える力」
7の「人生を意味づける力」(意味がある=希望を持つ)、
4の「信念を貫く力」というのは

自分の気持ちをコントロールして、自分のやっている事や人生に意味(希望)を見出して、
諦めない心を持つ
=意味を見出し、目標と計画を立ててそれに向かってあきらめずにやっていく

これって実は大変な状況でも心のバランスを保つことなんですよね。

そして
1の「人をまとめる力」
2の「問題に対する対応力」
3の人を「思いやる力」は

他の人と協力しながらやっていく力です。
=集団活動

つまり、「生きる力」って
身体と心の健康を保ち、人と協力していく力ということなのですが

考えてみるとこれって実は家庭や学校や地域でこういう力を身につける経験を

私たちはしているのですよね。

例えば学校でしたら

毎日、学校へ行くと規則正しい生活をすることになりますし、

部活や体育で身体を動かします。これって身体の健康を保つ事ですよね。

またテスト勉強や部活なども目標と計画を立て、遊びたい気持ちをコントロールして

勉強したり、練習していますので、ある意味心の訓練にもなっているのです。
(まあやる意味を見いだせない子もいますが・・・)

また学校生活そのものが集団活動なので人と協力して活動をする練習にもなっているのです。

生活の中で経験する基本的なことが生きる力になっているのですよね。

まあ、親も学校も地域も完璧ではないので理想通りにはいかない所もあるでしょうが

子供たちの生きる力を身につけるという視点で家庭や学校、地域が協力していけたらいいんじゃないかな。



論文
2015、杉浦、今村、邑本 
災害時の8つの「生きる力」を特定 
-東日本大震災の被災者 1,400 人のアンケートから-


プロフィール

若林宏行

Author:若林宏行
日々、様々な悩みや問題を抱えている大人の人たちや子供たちと関わる中で、気づかせていただいたことや私自身が感じた「忘れてしまっている大切なこと」をつづっていくブログです。

主に子育てや家族の問題、人間関係や仕事の問題、引きこもりや発達障害、心の問題などを中心に載せていきます。

プロフィール詳細
→ 若林 宏行
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